真夏に入り、森林や草原、濕地、湖沼など豊かな自然を擁する內(nèi)蒙古（內(nèi)モンゴル）自治區(qū)は最も美しい季節(jié)を迎えており、多くの観光客で賑わいを見せている。

內(nèi)蒙古自治區(qū)赤峰市克什克騰（ヘシグテン）旗にある達(dá)里諾爾（ダリノール）湖畔の濕地に設(shè)けられた桟道を歩く観光客（寫真＝本誌尹康記者）

全國(guó)から訪れる観光客を魅了してやまない美しい內(nèi)蒙古だが、実は気候変動(dòng)や人為的要因などで、現(xiàn)地の生態(tài)環(huán)境は一時(shí)期、深刻に悪化していた。草原が徐々に砂地化し、湖は水位が下がり続け、動(dòng)物や植物も少なくなっていた。

中國(guó)は現(xiàn)在、小康社會(huì)（ややゆとりのある社會(huì)）を全面的に完成させており、その中で生態(tài)文明建設(shè)は一貫して重視されてきた。特にここ數(shù)年、中國(guó)の北端に位置する內(nèi)蒙古は「生態(tài)優(yōu)先?グリーン発展」という戦略のもと、生態(tài)環(huán)境の改善に一層力を入れており、その成果もすでに現(xiàn)れている。

緑いっぱいの草原が戻ってきた！

「以前私たちが放牧をしていた頃、本當(dāng)に緑が少なくて、砂地化が本當(dāng)に深刻でした」と、一面に広がる草原を眺めつつ１０年前の光景を振り返ったのは、錫林郭勒（シリンゴル）盟正藍(lán)旗の牧畜民、巴図斯琴さんだ。

１０年前の正藍(lán)旗國(guó)家砂地化土地閉鎖保護(hù)區(qū)の様子（寫真＝シリンゴル盟宣伝部提供）

巴図斯琴さんなど現(xiàn)地の牧畜民によると、正藍(lán)旗では２０００年頃から砂地化防止対策をスタートさせ、さらに２０１７年には砂地化した土地を修復(fù)するための保護(hù)區(qū)が設(shè)立され、放牧禁止措置がとられた。それに対し、先祖代々放牧で生計(jì)を立ててきた牧畜民の中には一部で反対の聲もあったが、政府は柵で囲って家畜を飼育する環(huán)境を整え、さらに良い品種の牛の購(gòu)入に補(bǔ)助金を出した。それらの対策で草原が戻ってきたことで、牧畜民は飼料用の草も取れるようになり、その販売で収入が大きく増えた。「今では誰もが草原の保護(hù)に賛成していますよ」と巴図斯琴さんは話す。

現(xiàn)在の正藍(lán)旗國(guó)家砂地化土地閉鎖保護(hù)區(qū)の様子（寫真＝本誌李一凡記者）

「放牧禁止の他、砂地を草原に戻すため、私たちは砂の飛散防止や空からの種まきといった取り組みも行っています」と、シリンゴル盟正藍(lán)旗林業(yè)?草原局の于樁局長(zhǎng)が紹介してくれた。「現(xiàn)在、保護(hù)區(qū)內(nèi)の植生カバー率は１０％未満から３５％以上にまで増えましたし、正藍(lán)旗全體の森林カバー率も１３％から２０％に増えました」と于局長(zhǎng)は言う。

內(nèi)蒙古で緑化に成功しているのは草原だけではなく、かつて荒れていた山々も今では緑に覆われている。１９６２年に設(shè)立された赤峰市喀喇沁（カラチン）旗の馬鞍山植林場(chǎng)はその具體例だ。設(shè)立初頭、ここは４萬２０００ムー（１ムーは約６．６７アール）の天然二次林で、森林カバー率はわずか４０％だった。かつては植生破壊や水土流出が深刻で、砂嵐など自然災(zāi)害が頻発し、北京や天津にまで影響を及ぼしていたという。