この「含章渡海東」と題されたこの水墨畫の巻物は、鑑真が6度に渡り、日本を目指して旅した物語を原型としている。長さ10メートル、幅50センチで、本紙の長さは7メートルに達する。巻物は時間をその主軸とし、そこに鑑真の幼き日から日本へ渡るまでの全過程が描かれている。
同作品はその表現(xiàn)スタイルにおいて、伝統(tǒng)的な同一の時間における空間の移ろいという蕓術スタイルとは異なり、地理や山河を參考に、ストーリーを描き入れ、歴史の流れに従って展開しており、論理性に富んでいる。その畫風は全體的に寫実性を重視しており、複雑な「洗禮」の旅の過程における人物を描きだす際には、人物と精神及び自然風景の融合を重視している。

巻物の一部(撮影·陶隠)。
馮氏はこの作品を創(chuàng)作するため、大量の歴史資料を調(diào)べたという。これには國內(nèi)外の伝記や映像作品、オンライン旅行記などが含まれ、人物の服裝から建物、習俗など各方面で歴史事実の再現(xiàn)を試みている。絵には書道家の黃立軍氏の楷書による説明も添えられており、その説明文は日本の真人元開による「唐大和上東征伝」から引用している。字と絵の融合は中日両國の鑑真の日本渡航に対する共通の文化的認識や精神の伝承と美しさへの追求を反映しているだけでなく、さらに作品そのものに盡きることない味わいを與えている。(編集YF)
「人民網(wǎng)日本語版」2018年10月17日