天然の良港に恵まれた大連は、海路によって世界と繋がる「海のシルクロード」の一大拠點(diǎn)だ。「一帯一路」參加國(guó)が日増しに増えるにつれ、大連が持つ優(yōu)位性は今日、かつてなく高まっている。 

その発展において特筆すべきは、古くから集積されてきた中國(guó)企業(yè)が果たしている役割だ。改革開(kāi)放後、寒村だった深圳は中國(guó)を代表するハイテク産業(yè)の中心地となった。また、黃浦江沿いの濕地帯でしかなかった上海の浦東は、摩天樓が立ち並ぶ金融センターに生まれ変わった。無(wú)から有を生んだこれらの地と異なるのは、大連には鉄鋼や化學(xué)といった重工業(yè)を中心に、改革開(kāi)放以前から産業(yè)基盤(pán)があったことだ。 

重工業(yè)が大連経済を支える重要な産業(yè)であることは疑いないが、改革が必要な時(shí)期においては発展の足かせとなる場(chǎng)合も少なくない。巨大な設(shè)備を有し、大量の雇用を抱える重工業(yè)企業(yè)は、その規(guī)模が大きければ大きいほど、一般にアップグレードが難しいのだ。 

ところが、大連では「重厚長(zhǎng)大」の業(yè)種でありながら、不斷のイノベーションと改革によって、大連の質(zhì)の高い発展に大きな貢獻(xiàn)を果たす國(guó)有企業(yè)が數(shù)多く存在する。その代表格と言えるのが、「中車(chē)大連機(jī)車(chē)車(chē)両有限公司」（以下、「中車(chē)大連」）である。 

イノベーションにより生まれた國(guó)有企業(yè)の世界的競(jìng)爭(zhēng)力 

１８９９年創(chuàng)業(yè)の「中車(chē)大連」は中國(guó)の鉄道産業(yè)を一貫してリードしてきた。１９５６年に蒸気機(jī)関車(chē)、１９５８年にはエンジン機(jī)関車(chē)と、自主研究開(kāi)発による列車(chē)の國(guó)産化を成功させ、「東風(fēng)號(hào)」「毛沢東號(hào)」など中國(guó)鉄道の歴史に燦然と輝く名機(jī)を多數(shù)生み出したことから、同社は「列車(chē)のゆりかご」とも稱される。「中車(chē)大連」がこれまでに生産した列車(chē)は合計(jì)で１萬(wàn)２７００臺(tái)に達(dá)し、中國(guó)國(guó)內(nèi)を走る列車(chē)の半分以上は同社の製品だ。 

「中車(chē)大連」が生産する復(fù)興號(hào)ＣＲ２００Ｊ型動(dòng)力集中式列車(chē)（撮影?本誌張巍記者）

「中車(chē)大連」はこれまでに６回におよぶ大規(guī)模な技術(shù)革新を行ってきた。同社は中國(guó)の鉄道産業(yè)が立ち遅れていた時(shí)代から既にイノベーションを重視し、常に技術(shù)の進(jìn)歩を求める企業(yè)文化を持っていた。そのことを世界に証明したのが、「中車(chē)大連」が生み出した「和諧Ｎ３高原型列車(chē)」だ。 

総延長(zhǎng)１９５６キロ、最高地點(diǎn)５０７２メートルと、世界一過(guò)酷な自然環(huán)境下で運(yùn)行される青蔵鉄道は、中國(guó)が世界に誇る國(guó)家プロジェクト。しかし２００６年の開(kāi)通當(dāng)時(shí)、使われる機(jī)関車(chē)の多くがアメリカ製だった。高地専用列車(chē)の國(guó)産化は、中國(guó)にとって悲願(yuàn)だったのである。 

「世界の屋根」に國(guó)産の列車(chē)を走らせて、中國(guó)を世界に誇る鉄道強(qiáng)國(guó)とする――。この一大プロジェクトを擔(dān)當(dāng)することとなった研究開(kāi)発チームは共に自ら現(xiàn)地に赴き、強(qiáng)烈な紫外線と薄い空気に耐えながら日々難題に挑戦した。そして、長(zhǎng)い時(shí)間を経て、２０１３年にはついに高地に対応した列車(chē)の開(kāi)発に成功した。